坩堝シンジケートの隠れ蓑

「三人揃えば文殊の知恵」の反例として存在する今日この頃です(すぐ倍に増えたけど)。何をする訳でもなく、徒然なるままに色々やっていこうと思います。

異世界ランチア~GE3来る!~ その3.シモゴエ、属性過多介護士系幼馴染を目撃す 前編

 

1.前回までのあらすじ

 

 

 

 

 

 夏の暑さに狂った坩堝シンジケート団員・シモゴエ。ここは一つ風にでも当たろうと、エアロゴリラことコンゴウに勝負を挑む。実際に被弾したのは北イタリア最強を冠する凄腕マフィアこと異世界ランチアであったが、風鈴で涼しさを感じるのであれば、ゲーム内の風の表現だって涼めるはずとはシモゴエの弁だ。

 そんなこんなで真っ赤なゴリラをバスターブレードで活け造りにしたランチアinシモゴエ。しかし、原作では蛇鋼球での大立ち回りを魅せる彼も、大剣は少々扱いに困る様子。人外相手のタイマンも荷が重い。なお、シモゴエのプレイヤースキルの低さは一旦棚に上げておく。今後下ろすつもりはない。

 という訳で、今回からは仲間とのチームプレイである。異世界でも望まぬ憑依の憂き目にあうランチアは、よいファミリーを作っていけるのか……!? そして、前回の更新から1カ月以上が経っていることに対し、シモゴエの良心は痛むのか……!? 謎が謎を呼ぶ第2章、開幕ッッッ!

 

2.調和の力があるから属性過多にも対応できる男

 

 

 ゴッドイーターシリーズの主人公*1の最大の特徴と言えば、戦闘以外のムービーシーンでほとんど口が利けないことです。破滅的社会不適合者を自称する私としましては、自分の気分が乗らなければ猿轡でもかまされたかの如くモニョモニョと黙りこくるのは大いに共感できますので、ここ十年の彼らの日常の在り様は頷けるところであります。

 しかしながら、むっつりと無言を貫いていたのでは他者とのコミュニケーションなど望むべくもありません。人間とは人と人の間に存在するもの。我らが異世界ランチアさんの社会生活のためにも、代わりに喋ってくれる通訳または介護の存在が必要です。

 運のいいことに、この世界線ランチアさんには幼馴染がおりまして、それがユウゴ・ペニーウォートでございます。身長180センチの美丈夫で、どういうわけか戦闘中にだけ饒舌になる危険人物のランチアさんに全幅の信頼を寄せております。おそらく共に少年期を世紀末ミナト*2『ペニーウォート*3』で過ごすうち、毎日が吊り橋効果の関係であれよあれよと絆が芽生えたのでしょう。

 この男は隙あらば主人公をリードしてくる第一級サポーターで、ランチアさんは彼の尻に乗っていただけで移動拠点の「航海士」として重宝されたり、最終的に「鬼神」と恐れられるようになります。フィジカルとセンスだけが輝く蛮族フェアリーなランチアさんと、口八丁手八丁に無鉄砲を自在に操るユウゴ。物語開始時点から彼らが固い友情で結ばれていたことは、ある種のチートと呼んでも差し支えないでしょう。優秀な介護士を伴った社会不適合者が、不幸な事故で野に放たれて無茶を振り回し、なんやかんやで世界を救ったり救わなかったりするのが、この作品の物語の本筋です。嘘です。

 このように書くと、ユウゴが口から生まれた口太郎のように感じるかもしれませんが、何の何の膂力も大したもの。バスターブレードほどではありませんが、それでも身の丈ほどの剣である武器種「ブレード」を軽々と扱います。また、仲間が戦闘不能になるとバースト化するスキル「復讐への憤怒」も抱えており、義理堅く熱い一面も伺えます。バースト化と聞いてピンとこない人は各自で調べるか、クリリンが殺されてパワーアップした悟空を思い浮かべてください。悟空でピンとこない人は自在に髪を金色に出来るマッチョマンを思い浮かべればよいでしょう。

 またユウゴは「ディバイトゼロ」というバーストアーツを手繰ります。これは踏み込みと同時に目にも留まらぬ横一線の斬撃を見舞う技で、彼はそれに加えて三日月型のエネルギーを放つこともできます。月牙天衝*4ですね。悟空といい一護といい、まるでジャンプ主人公のバーゲンセールです。そのうち鼻毛で戦い出すことでしょう。

 関係ないですが、ユウゴの衣装はオレンジを基調としています。皆様、この色を見て何かを思い出しませんか。そう、大空属性の死ぬ気の炎*5ですね。ということで彼はこの世界線の大空の守護者です。ランチアさんは彼を守るために、夜の中学校校舎で相撲大会を行ったり、十年後の世界で大暴れしたりするんですね。

 

 そんなこんなで、初回からファミリーを手に入れたランチアさん。ペニーウォートという元鞘は何やかんやあって大破しましたので、彼の生家殺しのアビリティは本作でも健在と言えます。ランチアさんの不幸体質ぶりに黙とうを捧げつつ、早速このジャンプ主人公系介護士幼馴染という属性キメラと、世界の終わりでランデブーとしけこみましょう。

 しかし、ここで悩むのが相手です。こんな属性過多の男に見合う怨敵がアラガミにいるのか。いるんですよ奥さん。ジャンプライバルキャラと言えばベジータ然りザンザス*6然り、光弾を景気よく両手から撃ち出せるキャラと相場が決まっています。そんなアラガミがいるんですよ奥さん。

 ということで、そろそろ少年誌の巻頭を飾るような熱戦のお時間です。我々は読者アンケートに怯えながら、ミッション【巡回支援への参加要請】を受注したのでした。

 

後編に続く

*1:

大体において、見せ場以外のムービーシーンではうんともすんとも言わないやべー奴。おかげで無印では主人公を別のキャラクターに取られた。でもバーストでの「生きることから逃げるな」は好きだよ。いつも変な格好させたりアバターカードで妄言口走らせてごめんね。関係ないけど今作での歩き方は妙に肩を揺らしているため、大変柄が悪い。イキっているというより首が据わっていないように見える。ベイビーかな?

*2:

 灰域とかいう高性能ミキサーも真っ青な粉微塵空間が発生したため、それに対抗するために人々が造り出した地下拠点の総称。多種多様な集団が存在するものの、日の当たらないところというのはやはりロクデナシを形成するらしく、倫理観の残念な組織もそれなりに跋扈する。

*3:

主人公たちが最初に所属しているミナト。とんでもなく過酷な待遇でゴッドイーターを使い潰し、挙句の果てに他のミナトに売りつけるという闇の人材派遣会社。名前の元ネタはブラジルチドメグサの英名と思われる。この植物は繁殖力旺盛だが、ミナトのほうのペニーウォートは何やかんやあって機能停止した。人間は集団になっても無力である。

*4:

類まれなる言語センスと見事な黒インク捌きで一世を風靡した剣戟ジャンプ漫画「BLEACH」。その主人公である黒崎一護の放つ大技がコチラである。ちなみに本家本元の月牙天衝は「天を衝く」に相応しい巨大なエネルギー波であるのに対し、ユウゴの技はせいぜいが2メートルの大きさ、斬月とままごと包丁ばりのスケール差である。貴様のそれは月牙天衝ではない。そのような矮小な月牙天衝などありはしない。

*5:

ご存知「家庭教師ヒットマンREBORN!」に登場する不思議エネルギー「死ぬ気の炎」の属性の一つ。見た目は綺麗なオレンジ色で、他属性の炎と比べると一番普通に見えるが、そのレア度では最上位に位置するらしい。同作の主人公・沢田綱吉をはじめ、敵味方問わずボスが持つ死ぬ気の炎の属性である。

 「調和」という特質を持っており、この炎をぶち当てられたものは石になってしまう。だから多分ゴルゴンも大空の守護者である。

*6:

これまた「家庭教師ヒットマンREBORN!」に登場するキャラクターの一人。同作の主要マフィア・ボンゴレファミリーの特殊暗殺部隊ヴァリアーの首領で、嫌いなものは「自分以外の全て」と答える24歳拗らせおじさん。怒ると古傷が開くというイビルジョームーブがチャームポイント。

「憤怒の炎」と呼ばれる光球型の死ぬ気の炎を掌から放つことができ、その輝く張り手一発で中学校の校舎を炭にした。挙句の果てにそのインチキ炎を銃に込めて圧縮、より強力にして発砲するというやりたい放題を披露した。

個人的には素手で戦うザンザスをもう少し見てみたかった。アニメ版の第2OP『BOYS & GIRLS』で空に手を伸ばすように、飛来するツナを掌底で迎え撃つ彼はとても格好いいのだ。