坩堝シンジケートの隠れ蓑

「三人揃えば文殊の知恵」の反例として存在する今日この頃です(すぐ四人に増えたけど)。何をする訳でもなく、徒然なるままに色々やっていこうと思います。

つくって魔具魔具 幸せの竹とんぼ(1)

 

 

 

登場人物紹介

 

シモゴエ

 

 この記事の制作者であり進行役だよ。ウィキペディアからの引用に始まり剽窃や孫引き、果ては短絡的なこじつけを駆使して、良い子の皆のためにオカルトグッズを作ってくれるよ。ものづくりを心から愛しているけど、両親が自分を作ったことに対しては否定的なんだって。

 

フタバ

 

 シモゴエの助手で驚き役だよ。グラップラー刃牙でいう加藤みたいなポジションだと言えばわかりやすいかもしれないね。ただ本人のお気に入りはスペックらしいよ。彼にとってオカルトグッズの使用はむしろ相手を気遣ってることなのかもね。

 

キキ

 

 置き物だよ。

 

[つくって魔具魔具 完全オリジナルOP]

 

 

♪ひゅるるるるるる~(宇宙を思わせる小気味よい音)

 

♪きしゅつの アイディア

♪いやしく ちょーだい

♪ぬすんでまぐまぐ ぱくってまぐまぐ

♪くすねてまぐまぐ つくってまぐまぐ

 

 

『第1回 幸せの竹とんぼ』

 

1.初めに

 

 

シモゴエ

 いやはや、末法の世だねフタバくん。一切皆苦とはよく言うけども、まさかここまで様々なことが不味い方向に転がるとは想像しなかったよ。このまま社会不適合者と生きていても、先に社会のほうが滅びるから別にいいんじゃないかと思えてくるよね。

 

フタバ

 世界の危機にこれ幸いと自分を甘やかすのは駄目だよシモゴエさん。生きとし生ける者は誰もシモゴエさんとの共倒れなんか望んでないよー。

 

シモゴエ

 あらら、これは手厳しいね。よし、それじゃあここは一つ、何かめでたいオカルトグッズを拵えようじゃないか。この工作が安国への布石となれば、いずれ政府から多額の謝金が振り込まれるかもしれないからね。

 

フタバ

 わーい。シモゴエさんが根拠のない自信をみなぎらせて、捕らぬ狸の皮算用を始めたぞー。こうなったら誰も彼を止められないんだ。町内の人からの冷たい視線以外は。

 ところで、そのめでたいオカルトグッズってどんなものなの?

 

シモゴエ

 それはねえ、これだよ。

 

フタバ

 なにコレ? ただの小汚い竹とんぼじゃない! こんなの作りたくないよーだ!

 

シモゴエ

 ご挨拶だなあ。でも、この竹とんぼに審判を下すのは、僕の舌先三寸を喰らってからでも遅くはないと思うよ。

 

フタバ

 いやしくも教育番組から着想を得た記事なんだから、言いくるめることを前提に話を進めないでほしいな。

 

シモゴエ

 嘘を嘘だと見抜ける人じゃないとネットを使うのは難しいからね。メディアリテラシーを鍛えるという意味なら、十二分に教育的だと言えるんじゃないかな。

 

フタバ

 出まかせばかりが口をつくんだから。まあ仕方ない。ここは僕が大人になろう。とにかく、シモゴエさんの話を聞けば、この竹とんぼがどんなオカルト的効能を持っているか分かるってことだね?

 

シモゴエ

 そうだよ。この竹とんぼは素材といい挙動といい、邪気を払うにはうってつけの要素を備えているんだ。フタバくんも僕の妄言を通して、竹とんぼがどのような魔術的意味を持ちうるのか、理解を深めてほしいな。

 

フタバ

 ふーん、素材と挙動かあ。それら諸要素の全てに意味があるんだねえ。あ、もしかして竹とんぼが薄汚れていることにも?

 

シモゴエ

 それは僕の耳垢だよ。耳かきがどこにもなかったんでね。

 

 

2.竹ってなーに

 

 

シモゴエ

 突然だけど、フタバくんは竹という植物をご存知かな?

 

フタバ

 初っ端からなめ腐ってくれるじゃないか。もちろん知っているよ。背ばかり高くて中身空っぽのシモゴエさんみたいな植物のことでしょう?

 

シモゴエ

 人の身体的特徴をあげつらうなんて悪い子だな。今度帰りの会で尻毛まで禿げ上がるほど弾劾してやるから覚悟しておいてね。

 それはそうと、竹に関しては大正解だよ。仰る通り、この植物はぐんぐん伸びて中は空洞という、ちょっと不思議な特徴を持っているよ。

 そして、この特徴にこそ魔術的意味が含まれているんだ。

 

フタバ

 ええ、そうなの?

 

シモゴエ

 古来より日本では、空洞にこそ神が宿ると考えられていたんだ。スペースがあるということは、何か神々しいものが入り込む余地があるということだと、当時の人々は見なしたのかもしれないね。ここで空白には嫌なものが溜まると考えだせば『魍魎の匣』の久保竣公まっしぐらだから気を付けよう。

 ところで、フタバくんは『かぐや姫』って知ってるかな。

 

フタバ

 有名だよね。地球育ちの月の民でしょう。ドラゴンボールカカロットと経歴が似ているよね。

 

シモゴエ

 そうだよ。この実質サイヤ人かぐや姫が竹から生まれたのも、空洞には神秘が宿るという思想に端を発すると、僕なんかは勝手に推測しているんだ。

 虚空を含む自然物。外から窺い知ることのできない内部に、昔の人が光輝く姫君を想像するのもおかしくないだろう。僕もいまだに勉強机の閉じた引き出しの向こうに、タイムマシーンを幻視することがあるしね。

 

フタバ

 シモゴエさんの例は防衛機制でいう『退行』に属すると思うけど、まあそれに関してはカウンセラーの方に押し付けよう。とにかく、竹は神秘が宿るような植物ということだね。何故なら、そこに空洞があるから。

 ところで、竹には他にぐんぐん伸びるって特徴があったよね。これにも魔術的意味が含まれているの?

 

シモゴエ

 そのとおり。どうしたんだいフタバくん、今日はやけに慧眼が光るじゃないか。君はゴロリ枠なんだから、もっと死んだ魚のような目で愚鈍極まってもらわないと困るよ。

 

フタバ

 ぶっ殺すぞ。じゃあどんな意味が含まれているのかな。

 

シモゴエ

 竹は寒い時期でも色褪せず、まっすぐ上に向かって伸びることから、成長力なんかの縁起物として親しまれているよ。あと殺されてたまるか。

 

フタバ

 じゃあ、竹の示す魔術的意味っていうのは、神秘性と成長力ってことでいいのかな。

 

シモゴエ

 他にも竹の破裂音には魔除けの力があるとされているよ。国内では熱した青竹の破裂音で邪気を払う『鬼の目はしらかし』という行事があるんだけど、こうして割れた竹を玄関に飾ると厄除けになると言われているんだ。中国の祭りで爆竹が鳴らされるのも、魔を追い払うためだよ。

 このように、火をつけるとパチパチ爆ぜるという性質から、竹には悪いものを退ける力があると昔から信じられてきたと分かるね。

 

フタバ

 じゃあ、こうした竹から作られた『竹とんぼ』には、魔除けの力をはじめとして、ありがたい効能が含まれているということ?

 

シモゴエ

 うーん、でも残念ながら話はそう単純じゃないんだよ。頭頂部から双子葉類が生えているフタバくんには分からないだろうけどね。

 

フタバ

 遠まわしに人の頭を花畑一歩手前と称さないでよ。出るとこ出ちゃうよ。

 まあそんな怒りは訴状と共に胸にしまっておいて、理由を聞かせてシモゴエさん。どうして竹とんぼに魔除けの力は宿らないの?

 

シモゴエ

 さっきの理屈でいくと、竹が厄払いの性質を帯びるのは、火を点けて鳴らした時なんだ。音が不可欠なんだよ。でも竹とんぼは飛ばして遊ぶもので、楽器じゃない。だから爆竹のような効能を見出すのは難しいんだよ。

 同じような理由で、神秘が宿るという性質も認められない。竹とんぼは空洞じゃないからね。もしも竹で作った水鉄砲とかなら、空洞に入り込んだ水に神秘を帯びさせるとか、いかようにもこじつけられるんだろうけどさ。

 

フタバ

 ええ……。じゃあこの竹とんぼは単に耳垢のついた汚物ってこと? いよいよもって救いがたいよ。時間返して。その命も神に返して。

 

シモゴエ

 まあ待つんだフタバくん。僕がそんな結論のために、長々と君と読者を付き合わせたと思うかい? 君はともかくとして、読者の方々には貴重な時間を割いていただいているんだ。彼らの大切な時をドブに叩き込むのは、特に良心が痛むわけでもないけど、あとでSNSとかで報復されるのは怖い。そんな危ない橋を渡る訳ないじゃないか。

 僕の詭弁にはまだ続きがあるんだよ。

 

続く

 

(文責・シモゴエ)